派遣会社の選び方

働きたい企業があるなら資本系・広い業界は独立系

ひとくちに派遣会社と言っても、その種類は様々です。ここではどんな派遣会社があり、どういう観点から選べばいいのかをお話 ししておきましょう。

日本全国に、派遣会社の事業所はざっと８万５０００ヶ所あります。

ただし、大手の派遣会社になると、47都道府県すべてに事業所を置いているところもありますので、企業数ということになればもうちょっと少なめになります。

第３章でご説明したとおり、派遣には登録型と常用型がありますが、２０１５年の法改正により、登録型と常用型に分かれていた 許可制度が一本化されることになりました。

そこで、ここでは主流である登録型の派遣を扱っている派遣会社について触れます。

まず、派遣会社は大まかに資本系と独立系に分かれます。

資本系とは、銀行、商社、メーカー等の出資により設立された派遣会社のことです。

資本系の場合、当初の設立目的が出資企業の人材確保だったというところも多いのが特徴です。

そのため、現在は広く様々な業界や企業に派遣を行っていても、一般的には出資企業への派遣に特に強いので、その出資企業で働いてみたいと思うなら、登録してみるといいでしょう。

独立型とは、文字通り独立資本の派遣会社です。

概ねいろいろな業界の仕事を扱っていますが、やはり派遣会社ごとにそれぞれ特徴がありますので、ホームページなどで調べてみるといいでしょう。

扱っている業界や職種という観点で選ぶ方法もありますが、就業中のフォロー体制や教育研修制度などの充実度から選択する方法もあります。

自分が派遣会社に何を求めているのかで決めていくといいでしょう。

仕事の多さでは大手、フォローの細かさでは中小

また、派遣会社の規模によって、大手と中小とに分かれます。

やはり何といっても、仕事の数が多いのは大手です。大手企業、人気企業の仕事も数多くかかえています。

広告などへの露出も多く、社名やロゴになじみがあることから、親しみや安心感をもちやすいかもしれません。

ただ、仕事の数が多い分、派遣社員の数もまた多いので、マッチングやフォローがシステマティックである傾向があります。

派遣社員にとってはさっぱりつきあえる半面、物足りなさを感じることもあるかもしれません。

中小は仕事の数が大手ほど多くはありませんが、それぞれの特徴を打ち出しているので、ある特定の領域に関しては仕事が充実し ていると考えていいと思います。

傾向としてマッチングやフォローに関してきめ細かく、親身に世話を焼いてもらうのが性に合っているという人には適しています。

職種・勤務地が決まっている場合は特化型

仕事がバラエティに富んでいることを売りにするのではなく、あえて特定の業種や職種、地域に特化した業種・職種特化型、地域 特化型の派遣会社もあります。

業種・職種特化型とは、たとえば「ＩＴ業界の仕事専門」「旅行業界の仕事専門」「販売・サービス系の仕事専門」などとうたっ ているところです。

希望する業界や職種が明確な場合は、希望に合った仕事を得やすいという利点があります。

ただし、職種で選ぶとなると場合により全国の勤務地を検討しなければならない可能性もあります。

もちろん、ある程度の範囲でなら希望エリアで仕事を探してもらえるものの、あまり多くの条件を出し過ぎるといい仕事には出会いにくいかもしれません。

地域特化型とは、特定エリアの仕事を専門にしている派遣会社です。

「とにかく自宅から近い職場がいい」「地元で働きたい」という人には最適です。

一つの仕事が契約満了になっても、また次に、地元の仕事を案内してもらえます。

派遣会社自体が地域密着で事業を営んでいるので、派遣先企業とも信頼関係ができている場合が多く、安心して就業できるという特徴もあります。