一つ所で長く働き、実績を積み重ねることで、派遣先企業から「うちの正社員になってほしい」と請われるというのは、それほど珍しいことではありません。
特に2015年9月の労働者派遣法改正を境に、こうしたケースは増えていくことが予想されています。
派遣会社としては、評価が高く信頼できる派遣社員を手放すのは何とも惜しいのですが、その人が幸せになっていくのなら喜んで送り出そうという気持ちです。
しかしちょっと待ってください。
我が社で働く、とある女性のケースをご紹介します。
彼女は派遣先企業から、何度も「正社員になってほしい」という申し出を受けているのですが、そのたびに断っています。
理由は、「正社員になると出勤日数が増えるのに収入が下がるから」でした。
正社員になっても仕事内容は変わらないかもしれませんが、待遇も変わらないとは限りません。
もし派遣先企業に正社員として勤めたら、給与を含めた待遇や労働条件、福利厚生、就業規則などがどうなるのかをしっかり確かめて、派遣社員として働いている現在の状態と十分に比べて検討した上で、本当に自分にとってプラスになる道を選択してほしいと思います。
もし正社員になることを断って、このまま派遣社員として働きたいと望むなら、その旨を派遣会社に言っていただければ、間に入ってその後も気まずくならないように上手に仲を取りもちます。
その点は安心して派遣会社を頼っても大丈夫です!
中には正社員として働きたいという希望をもっている人の弱みにつけ込み、「いずれは正社員に登用するから」などという言葉で気を引いておいて、現場であれこれと無理な仕事を押しつける派遣先企業もあると聞きます。
当社の取引先には幸い、今までそういうところはありませんでしたが。
これは企業体質の問題というより、その職場で指揮・命令を行う役割を担っている個人に問題があるのかもしれません。
本気で正社員登用を考えている派遣先であれば、その意向を正式に派遣会社にも伝えてくるからです。
もしあなたが、正社員として就職したいという強い希望をもちながら派遣の仕事をしているなら、職場の一個人が言う「正社員登用」という甘い言葉を鵜呑みにせずに、正式にその気があって誘ってくれているのかをきちんと見極めることも大切です。
判断に困るようであれば、やはり派遣会社に相談するのが一番だと思います。
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